CNCの防音BOX
作ったのは2021年の話ですが、そこから2年くらい放置気味でした。
2020年まで使っていた初代防音BOXは防音性能が低いのと、
扉を開けるたびに切粉が飛び散るので、何とかしたいと思っていました。
製作の目標は
①防音性能を高める
②切粉が飛び散るのを防ぐ
③作業台が欲しい
④吸音材に切粉が付かないようにする
あたりです。
作ったもの:
アルミフレームで柱を作り、そこにMDF板をつけています。
こうすることで、掃除の時に分解しやすくしています。
CNCはオリジナルマインドのRD300です。
①防音性能
底を21m、全周を板厚15mmのMDF+吸音材で覆っています。
底に吸音材を貼ると掃除が大変なので、CNCの真下の板の裏に吸音材を入れています。
また、床に振動が伝わっては意味がないので、防振は力を入れています。
キャスタを通じて床に振動が伝わらないよう、2段階に制振材を入れています。
1段目はおまけ程度で、普通の制振ゴム、
2段目がメインで、ちょっと高めなエアーエアーダンパー(WF4016)を使っています。
吸音材はYYT吸音ボードの板厚0.9㎝を使用しました。
この吸音材は厚みごとの性能が公開されているので、厚みを選びやすいのが特徴です。
(専門メーカーではなさそうなので、どこまで信頼できるかは怪しいですが)
メーカーのページが見つからないので、性能はwebで調べてみてください。
参考: amazonの製品ページ ※amazonなのでリンクが変わる可能性があります
板厚は0.5㎝と0.9㎝では吸音性能に差がありますが、
0.9㎝と2㎝は低周波以外あまり変わらないようでした。
結果として、防音性能はいい感じです。
A2017を削っていてもあまり気にならないくらいで、
隣の部屋にいると換気扇のほうが音が大きいくらいです。
※換気扇の音がとても大きい
A7075を削ると高音が目立つので、その点は改善の余地ありといった感じです。
②切粉が飛び散るのを防ぐ
切粉が扉にくっつくと、扉を開けるときに切粉が床に落ちる問題がありました。
この対策として、
・切粉が付着しやすいあたりを開閉しないよう壁を作成
・扉を斜めにし、切粉が付着しても防音BOX内に落ちる構造
にしました。
おまけで、扉の前に猫砂トイレマットを敷いています。
今日敷いたので、この効果の確認はこれからですね。
③作業台が欲しい
今まで防音BOXの上で作業していたので、ちゃんと机を作りました。
板厚15mm+アルミフレームなので、そこそこちゃんと使えます。
汚れたり傷がついて使いにくくなったら、新しい板に入れ替えやすいのが良い点です。
作業台と防音BOX本体の間にはNCボックス(7)が入るくらいの隙間が空いています。
いろいろ置けるので便利。
④吸音材に切粉が付かないようにする
以前はホワイトキューオンという吸音材を使っていたのですが、
これは切粉が表面に付着しやすい問題がありました。
特に黒いポリカの切粉がくっつくと、内側が真っ黒に・・・。
しかも取れないので、悩みの種でした。
対策として、今回は内側に家庭菜園用の不織布を貼っています。
これで切粉が付着しにくいのと、汚れたら剥がせばいいので、メンテが簡単です。
加工について
MDFの加工はストーリオ様に依頼しています。
穴無しのカットのみ依頼して、価格は全部で2万円くらい(2021年)でした。
URL: https://www.storio.co.jp/materials-and-processing-type/plank-material#index-2
加工精度は±1.5mmくらいで、特に調整等は必要ありませんでした。
自分の穴開け精度のほうが悪いので・・。
精度の資料: https://www.storio.co.jp/howtodiy/howto_plan
結果
満足度の高い防音BOXになりました。
作業性は非常によくなり、音も気になりません。
使っていて気になった点としては
・熱がこもる
・扉を開けないと中の様子が分からない
の2つで、特に熱のほうは対策しないとスピンドルの寿命に影響しそうです。
保冷材でも貼って、アルミフレームを冷やそうかなと。
3Dデータ
3Dデータも公開します。
防音BOXで悩んでいる方がいましたら、参考までに。
【注意】
実物で調整しながら作ったので、部分的に3Dデータと実物の形状が違います。
また、自分で使う用途のため安全には最低限の配慮しかしていません。
使い方によっては、指を挟むなどけがの恐れがあります。
本データの利用は自己責任でお願いします。
以上に同意いただける方のみご利用ください。
3Dデータ: CNC防音BOX.iges
Fusion360で木材テクスチャを使うと中間ファイルに対応していないらしく、
色は真っ黒になっていると思います。
以上
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