ウレタンゴムの注型 技術関係 2019年09月01日 高専ロボコンの足回りに使っていたウレタン部品を見せてもらい、摩擦がいい感じだったのでウレタンの注型に挑戦しました。今回は材料の入手性から日新レジン アダプト60Lを使用して、かわロボの足裏を作ります。URL: http://www.nissin-resin.co.jp/color%20urethane%20rubber.htm【製作手順】①型とインサート部品を切削足裏のフレームとなるインサート部品はPC板から切削。ウレタンとの接触面は表面積が増えるように凹凸をつけ、端には剥がれ防止の返しを付けています。詳細は写真参照。型も同様に切削し、離型用にフッ素系の撥油スプレー塗布(ちゃんとした離型剤の方がおすすめ)今回の型は側面+下板に分割しましたが、離型時の型分割は考えた方が良いです。抜けない・・・。 左から足裏のフレーム、樹脂型、真空おひつに入れた状態②ウレタン樹脂を混ぜる取説通りの分量を混ぜ、全力で混ぜる。今回は主剤70g、硬化剤23gくらいで、大部分を余らせる予定。着色料は数滴で十分でした。③型に液状ゴムを入れる後述の理由で、型からはみ出すくらい多めに入れた方が良好な仕上がりでした。厚さ5mm分くらい余分に入れています。 ④減圧脱泡脱泡容器(真空おひつ)に入れて減圧します。完全に脱泡することはできないものの、泡が表面に集まればとりあえずOKとしています。表面の泡は硬化後切り落とします。真空おひつでは減圧が足りないようですが、何度か減圧→常圧を繰り返すことで、そこそこ気泡は抜けるようです。30分くらい衝撃加えたり傾けたりして泡を抜く努力をしたのち、常圧に戻して放置。 ⑤効果まで放置離型12時間と記載されていましたが、作業時間の関係でほぼ24時間硬化しました。表面にかなりの気泡が残っていますが、この部分は切り落とすので問題ありません。 ⑥離型型から抜くために、余分な部分を切り落とします。怪我に注意。 余分な部分を切り落としたら、型から足裏を外します。型には張り付かなかったものの、隙間が無いため押しても抜けないという状況に・・・。最終的にハンマーで打ち抜きました。型は分割できた方が良いです。 切り離した面は表面が荒いが、型についていた方は綺麗な平面足裏にも気泡は残っていますが、ちぎれない限りは気にしない方針で。 ⑦仕上げと組み立てバリなどを仕上げて、組み立てます。3枚を1ユニットにしたらかわロボの足裏の完成。 【結果】・グリップ・強度は良好だと思います (まだ機体の稼働時間が短いので耐久性は不明)・コストはシリコンシーラントより高いものの、24時間で硬化するので生産サイクルは短めです。 シリコンシーラントが削れて床に付着すると非常に滑りますが、ウレタンなのでそれは無そう。これは個人的に重要なポイントです。・ウレタン板からの切削と比較すると気泡の不安はあるものの、グリップは良いように感じます。表面状態の影響かもしれませんが、硬度等条件が違うので、断言はできません。 あと比較的安いので設計変更変更しやすいのもメリットの一つ。【使用したツール】・日新レジン アダプト60L・竹炭 丸型真空おひつ(ポンプ付)・紙コップ・カッターナイフ・ハンマー・CNCフライス(型加工)etc【注意点】容器を開けた後のウレタンの液は硬化剤を入れなくても固まってしまうらしいので、開けたらなるべく早く使い切りましょう。あと服につくと落ちません。以上 PR