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白黒サイクル

ロボットとジャグリングのブログ。

ウレタンゴムの注型

高専ロボコンの足回りに使っていたウレタン部品を見せてもらい、摩擦がいい感じだったのでウレタンの注型に挑戦しました。

今回は材料の入手性から日新レジン アダプト60Lを使用して、かわロボの足裏を作ります。
URL: http://www.nissin-resin.co.jp/color%20urethane%20rubber.htm

【製作手順】

①型とインサート部品を切削
足裏のフレームとなるインサート部品はPC板から切削。
ウレタンとの接触面は表面積が増えるように凹凸をつけ、端には剥がれ防止の返しを付けています。詳細は写真参照。


型も同様に切削し、離型用にフッ素系の撥油スプレー塗布(ちゃんとした離型剤の方がおすすめ)
今回の型は側面+下板に分割しましたが、離型時の型分割は考えた方が良いです。抜けない・・・。


左から足裏のフレーム、樹脂型、真空おひつに入れた状態

②ウレタン樹脂を混ぜる
取説通りの分量を混ぜ、全力で混ぜる。
今回は主剤70g、硬化剤23gくらいで、大部分を余らせる予定。
着色料は数滴で十分でした。

③型に液状ゴムを入れる
後述の理由で、型からはみ出すくらい多めに入れた方が良好な仕上がりでした。
厚さ5mm分くらい余分に入れています。



④減圧脱泡
脱泡容器(真空おひつ)に入れて減圧します。
完全に脱泡することはできないものの、泡が表面に集まればとりあえずOKとしています。
表面の泡は硬化後切り落とします。

真空おひつでは減圧が足りないようですが、何度か減圧→常圧を繰り返すことで、そこそこ気泡は抜けるようです。
30分くらい衝撃加えたり傾けたりして泡を抜く努力をしたのち、常圧に戻して放置。



⑤効果まで放置
離型12時間と記載されていましたが、作業時間の関係でほぼ24時間硬化しました。
表面にかなりの気泡が残っていますが、この部分は切り落とすので問題ありません。




⑥離型
型から抜くために、余分な部分を切り落とします。
怪我に注意。



余分な部分を切り落としたら、型から足裏を外します。
型には張り付かなかったものの、隙間が無いため押しても抜けないという状況に・・・。
最終的にハンマーで打ち抜きました。型は分割できた方が良いです。


切り離した面は表面が荒いが、型についていた方は綺麗な平面


足裏にも気泡は残っていますが、ちぎれない限りは気にしない方針で。
  

⑦仕上げと組み立て
バリなどを仕上げて、組み立てます。
3枚を1ユニットにしたらかわロボの足裏の完成。




【結果】
・グリップ・強度は良好だと思います
 (まだ機体の稼働時間が短いので耐久性は不明)
・コストはシリコンシーラントより高いものの、24時間で硬化するので生産サイクルは短めです。
 シリコンシーラントが削れて床に付着すると非常に滑りますが、ウレタンなのでそれは無そう。これは個人的に重要なポイントです。
・ウレタン板からの切削と比較すると気泡の不安はあるものの、グリップは良いように感じます。表面状態の影響かもしれませんが、硬度等条件が違うので、断言はできません。
 あと比較的安いので設計変更変更しやすいのもメリットの一つ。


【使用したツール】
・日新レジン アダプト60L
・竹炭 丸型真空おひつ(ポンプ付)
・紙コップ
・カッターナイフ
・ハンマー
・CNCフライス(型加工)etc


【注意点】
容器を開けた後のウレタンの液は硬化剤を入れなくても固まってしまうらしいので、開けたらなるべく早く使い切りましょう。あと服につくと落ちません。

以上
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からっ風 Schwarze Katze テクノクエスト仕様

からっ風 Schwarze Katze テクノクエスト仕様まとめ

成績:優勝
公式結果URL:
https://www.kawasaki-sanshinkaikan.jp/robo/wp-content/uploads/2019/03/Techno_k.pdf


試合中の車載動画:




ロボット概要:
バトル用のからっ風 Schwarze Katzeに5軸カメラアームを取り付けた構造。




概略設計書:



コンセプト:
1.距離感を得やすい映像・情報を操縦者に提供する
  
2.メカもプログラムもできるだけ簡単に作れて、そこそこのスペックで動くシステムを作る 

3.マッピングに挑戦する



主な使用部品:
・カメラ: HDR-AS300 (sony)
・サーボ: RS306MD(双葉電子) ×6個
・ワイヤレスHDMI:  LDE-WHDI202TR(Logitec)
・ワイヤレスHDMIバッテリ:PowerCore 5000(Anker)
・HDMIケーブル: DH-HD14SSU10BK(エレコム)
・放射温度計:  HT-290(Somnus258)
・LEDレーザー:POOPE-JGWD-CAR-B(POOPEE) 
・ディスプレイ:ノートPC&小型ディスプレイ


カメラ&伝送系:
昨年よりワイヤレスHDMIとカメラ内蔵wifiを使用。
カメラ本体  →ワイヤレスHDM(5GHz帯)→モバイルディスプレイ(メイン)
      →内蔵wifi(2.4GHz帯)→USBアンテナ+USB延長ケーブル2m→PCディスプレイ(サブ)
という2系統。
仕様書には書いていないが、HDR-AS300はHDMI出力と内蔵wifi、SDへの記録が同時に行えるので2系統の通信が可能。 メーカー・機種によってはどちらか一方しか出力できない場合もあるので、選定には注意が必要だと思う。
ワイヤレスHDMIは通信距離7mほど。会場の壁を挟んでもレスポンスは良いので操縦の遅延は気にならないレベルで、タイムの短縮に有効だった。
wifiは出力弱いので距離が飛ばず、遅延が大きいものの、USB延長ケーブルを使用して壁の反対側までアンテナを伸ばせば大きな問題なし。ただし、HDMよりは遅延大きめ。

こんな感じで2画面体制


放射温度計:
例のごとく温度計のディスプレイをカメラでのぞき込む方式。
放射温度計は測定距離眺め、ディスプレイ大きめだと操縦しやすいと思う。



カメラアーム:
軸数:6
アーム長:約350mm

 
  



昨年までのアームはこんな感じでした。


1軸増やして6軸になったため、真後ろを見れるようになった。
後部がよく見えるため、フィールド端や壁のギリギリまで接近させることができる。
フィールドの縁が怖くてうまく旋回できなかったプレ大会の課題を解決できたように思う。
※今回の競技では使う機会が無かった



設計・製作は作りやすく、安全性の向上を目標に。
組み立てやすさは3Dプリンタ前提の設計で部品点数を少なくし、組み立てを楽に。
3Dプリンタは持っていないので、部品造形はDMMの3DプリンタサービスでMJF-PA12GBで依頼。予備部品含めて2万円/1台程度。

↓こんな感じで造形を依頼

 

予想以上に造形精度がよいため、ほとんど追加工なく組み立てることができた。
ただし、表面がざらざらしているのを放置した摺動性は悪く、摺動部の組み立ては苦労した。
グリースを付けても油が拡散してしまうため、当日は追いグリースで何とか・・・
安全性の向上としてはできるだけエッジを減らすことと、配線の露出を少なくすることで、アームや配線が引っ掛かって行動不能になることを回避した。 配線類はできるだけ関節の内側を通している。
上体の揺れによるモーメントでサーボが破損するのも怖いため根元はスラストベアリング+揺れ防止のガイド付き




トルクOFFにしたときにサーボの動作範囲を超えないようにストッパーを付けている
  

また、適度に減速・バネ補償を加えることで、長時間アームを伸ばしても熱で落ちない構造になった。 サーボへの負荷が小さくなったので、RS301CR(定価9000円)×6からRS306MD(週間ロボゼロで2000円くらい)×6へ大幅コストダウン!
(はるか昔に1ダースまとめ買いしたサーボがやっと役に立った)
念のため根元3軸分は金属ギヤに交換した。


今回作ってみて、カメラの軸が中心からずれていると操縦しづらいことがわかった。
ずれていると、映像の進行方向が曲がっているように見えるため、カメラが曲がっているのか、進行方向がずれているのかわかりにくい。


3D地図:
3D地図は後処理で行っている。
カメラで撮影した映像を一定時間ごとに画像化し、ReCap Photoにて3次元を構築する。
ReCap Photoは画像の特徴点を自動検出して、2D画像から3Dを構築できるソフトで、
リアルタイムに地図を作成するソフトではないので注意の必要あり。

肝心のデータは・・・



なんとか、それっぽい見た目になった。
スタートから白いエリアを超えるまでの29枚を合成。
画像の左下の点はカメラ位置。


参考までにデータを増やすと異次元空間に・・・・
 


画像の合成が上手くいかない理由としては、カメラの視点を動かしているため、
特徴点が一致しない空間があるのかなと。
カメラは固定で、フィールドをぐるっと回った方がよいデータになりそう。




かわさきロボット競技大会テクノクエスト部門2019

チームMiFとしてかわさきロボット競技大会テクノクエスト部門に参加してきました。
結果は優勝で、準備大会からカウントして三連覇です!

夏のバトルとは別のルールで、フィールド上のオブジェを探す競技です。

今年はカメラアームの完成度向上と、データの公開しやすさを重視した構成にしています。カメラの揺れを抑える構造にしつつ、配線が引っ掛からないようできるだけ隠しました。

試合中の車載動画


ロボット本体


後ろも確認できます


操縦環境



カメラアーム


詳細は後ほどまとめます

ROBOCON30thマスタスレーブアーム

ROBOCON30thマスタスレーブのまとめ
東北交流会補足資料です。

ROBOCON30thでマスタスレーブアームを作りました。
MFTで展示していたアームの(攻撃力)強化版です。




■ROBOCON30thマスタスレーブの特徴
・全く同じアームを使っているので複雑な数式は不要
・メカ的にもサーボをつなげるだけの簡単な構造
・角度フィードバックのみで疑似的な力覚提示ができる
 (ペン先が接触していることが分かる程度)
・サーボはRS301CRを使用

■課題
・片側を動かしたときの角度偏差と、外力による角度偏差の区別ができない
 →外力かかっていなくても、姿勢を維持し続けるトルクが発生する
  →マスターを操作する手が疲れる

■課題の解決策
マスター側を動かしやすい設定する
 ・Compliance Marginを大きくする
 ・Max Torqueを小さくする








■プログラム内容
・マスタスレーブプログラム:https://os.mbed.com/users/TArai/code/ROBOCON30th_TOHOKU/
 ※たまに動作が止まるバグあり・・・・
・双葉コマンドサーボライブラリ:https://os.mbed.com/users/TArai/code/Futaba_servo171024/
・サーボデータシート:http://www.futaba.co.jp/img/uploads/files/robot/download/RS301CR_RS302CD_114.pdf
・回路図参考:http://www.futaba.co.jp/robot/systems
  TX……p13
  RX……p14
  REDE…p15
  RS485トランシーバー:LTC1485CN8 (http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-01869/)


■各軸のID

軸3のみトルク確保のため2個使用(片方は逆回転)

マスター側
軸1・・・ID2
軸2・・・ID3
軸3・・・ID4,5
軸4・・・ID6

スレーブ側
軸1・・・ID12
軸2・・・ID13
軸3・・・ID14,15
軸4・・・ID16


■プログラム説明
プログラムの中身としては下記の3工程で、ひたすら3を繰り返します。
1.アームの初期角度の設定
2.サーボの各パラメーター設定
3.サーボの動作
  サーボの角度取得→サーボの角度送信


質問等ありましたら連絡ください

タイミングプーリーS5Mの書き方

今年作ったS5Mプーリーの書き方をまとめておきます。
2mmのエンドミルで切削できるので、S3Mよりも加工が楽になります。



歯先円直径
 歯先円直径(O.D.)の円を書く
 O.D. = P × N / π - 2 × PLD
   P:ベルトピッチ、5mm
   N:プーリー歯数
   π:円周率
   PLD:ピッチ円直径と歯先円直径の半径方向の差、S5Mでは0.48mm


歯底円直径
 歯底円直径 = O.D. - (1.77 × 2)(S5Mの場合)
※記事修正(19/6/25) 1.77は歯の高さです

下準備
 歯底・歯先円を書く。 ※図中のピッチ円は特に使用しない
 歯先円直径から0.381オフセットした位置に3.25mmの直線を引く




歯先を書く
 先ほど書いた直線の両端からR3.275mmの円を書く。



 上で書いた円と歯先円、歯底円をつなぐ





面取りと切り下げ
 カタログに従って面取り。(角にR0.55)
 歯の根本はエンドミルの切り残しも考えて少し切り下げておく
 (今回は切削データで実施)



複製してプーリーを書く
 歯を複製して円周にする



あとは肉抜きしたりフランジを付けたりして完成