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白黒サイクル

ロボットとジャグリングのブログ。

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遊星ギヤボックスの利用について

遊星ギヤボックス

大会で何人かの方に聞かれたので、まとめてみました。

からっ風シリーズでは毎回アームの減速に遊星ギヤヘッドを使用しています。
無印、QuadraEdge・・・電ドリ
Fomalhaut、Jagt、Pussyfoot・・・旧KU 24:1
BEEK,Gimlet・・・新KU 24:1

アームの多段減速機を自作すると精度の問題等あり難しいので、
遊星を使えばちょっと簡単に作れる・・かもしれません。

注意点・・・出力軸付近の剛性が弱いと遊星歯車の歯面で支えることになるため歯欠けが起きやすくなります。改造して使用する場合は出力軸を両持ちにしたほうが良いです。


ツカサ電工 KUギヤヘッド
ツカサ電工のギヤドモータ付属のギヤヘッド
単品での購入は不可なので、モータとセットで買う必要あり
ピニオンを抜く等の加工が必要

入力トルクは経験的にRS380PH,13.2Vのストールトルクの10倍程度までは壊れにくい(24:1の場合)。
コスト的にはTG-05シリーズかTG-85シリーズの標準品を買うと安い。
モータのシャフトはφ3mmなので、別の用途に使いやすい。

ツカサ電工直販:https://www.tsukasa-d.co.jp/motor/robo.html

  
KUギヤヘッド(の中身)と使用例


電ドリギヤヘッド
540サイズ以上の電動ドリルのギヤヘッド。構成はKUに近い。
クラッチ入りのギヤヘッドとしても使用可能。
クラッチを使わない場合は歯車だけ使うとよい。
出力軸はねじが切ってあるため、使いやすいサイズに加工する必要がある。
コストは安い(最近は3000円越え?)

 
電ドリギヤヘッドの中身


朱雀技研 IGシリーズ
ギヤボックス単体やピニオン単体で入手することができ、入手性は良好
フルメタルなギヤ構成も選択できるため、強度も高い
内歯車とフレームが一体のため、重量は重いが強度がある
IG22,IG32,IG36,IG42があり、数字は直径となっている。
380モータ等を一緒に購入すれば組み付けてもらえるサービスがある。

変な改造をするよりは、そのまま使用したほうがメリットが大きいと思う。

朱雀技研ストア:http://store.shopping.yahoo.co.jp/suzakulab/4a25aaeae55.html


IG32とIG36Pの中身


以上
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からっ風 Gimlet

からっ風 Gimlet データまとめ

成績
第23回かわさきロボット競技大会
 決勝トーナメントベスト32位
 デザイン賞受賞



概要
jagt(2013)→Pussyfoot(2014)→BEEK(2015)に続く改良型
スタートダッシュからの高機動戦用ロング(ミドル?)ロッド機
BEEKと比べて主な改良点はアームの強化と機能の切り分けによる使いやすさの向上


機構概略図




BEEKからの変更点

1.アームのトルク不足を改善&動作速度UP

・アームのモータを増やした
 2個→3個に増加

・リンク比の変更。スライダピンをクランクに近づけた。
 リンクの高トルク範囲の拡大
 
・リンクの中心を20度上方向にずらした
 攻撃で使用できる高トルク領域の拡大
 アームの基本位置がリンクの最下点なので、アームを接地させる場合は
 アームユニットのサーボを動かしでカウンタアームごと下げて対応


・アームの減速比変更
 初段  54:16 モジュール0.5平歯車
 2~3段 24:1  ツカサ電工 KUギヤヘッド 
 最終段 26:10 モジュール2 アルミ
アームリンク 約2.5:1

最終減速比 約530:1
 


・アーム歯車の転位係数調整
 大歯 -0.4
 小歯 +0.4



2.軽量化
・カウンタ展開機構削減
 展開時にカウンタアームを展開していたが、カウンタを固定式とした。

・レニー製ねじ、タッピングねじ(Pタイト)の使用による軽量化
 

3.その他メカ関係
サーボ変更
・RS405CB(トルク型)→RS406CB(スピード型)に変更してアームユニットの動作速度UP
※写真はRS405


サーボセイバー搭載
本体が浮き上がるレベルの衝撃が連続して入ると流石にサーボが壊れるため、
衝撃を吸収するサーボセイバー機能入りの歯車を使用


4.回路関係の変更

・回路の小型化
MC402CRを3つ繋げたセットを使用
アングル型の放熱板で、固定板に熱を逃がす構造になっている
ただ、樹脂に固定しているため効果はほぼ無し


・ジャイロ搭載
実装したものの、動作が安定せず、本大会では未使用・・・


アームの制御方法の変更
・センサを可変抵抗→光学式エンコーダへ(Pussyfootと同じセンサ)
・基本的にPID制御でゲインはマージン大きめ。
・現在角度が水平付近、入力角度最大の時、ESCへの信号を強制的に100%とすることで、位置でも欲しいタイミングでトルクを出しやすくなった。
 その分オーバーシュートが大きくなる。



感想など

展開機構がかあったため、アームが少し短くなった。
ロングロッドというよりはセミロングといった感じで、より高機動戦がやりやすくなったと思う。
アームのトルク不足問題はほぼ改善し、力不足感はなかった。

足回りは2年前から変更なし。部品もそのまま
プロポの設定で旋回をマイルドな仕様にしたため、多少扱いやすくなった。

今のところ動きや性能に不満はないので、しばらくはメカはこのままで回路の改良をしていこうと思う


    

かわさきロボット競技大会

かわさきロボット競技大会に参加してきました。

結果としてはベスト32位(枠数減ったので自己最高?)
デザイン賞をいただきました。

1勝もできなかった去年とは大違いですね!
操作しやすさと練習に重点を置いた成果が出ました。
マシンスペックはほとんど変わっていないのに、試合中に動けるようになってきたと思います。
まだまだ不十分ではありますが。






これまで3回決勝トーナメントに進んでいますが3回とも初戦で負けています。
1回目・・・天狗 足が壊れて入場がやっと(隣がK314-12式bis)
2回目・・・K-314 24式 に負け(半分自爆)
3回目・・・K-314 47式 に負け(半分自爆)

つまり、K314に勝たないと勝ち進めないわけですね・・・!
来年は第一回戦突破を目指して頑張ります。
相手の動きが速いと焦って自爆するのを何とかしないとなあ・・・

マシンの詳細は後程

からっ風(2016)アーム スライダリンク設計方法

ここ数年かわさきロボット競技大会の「からっ風」シリーズに使用しているアーム用リンクの設計方法をまとめます。

1.アーム概要


図 アーム概要

アームの構造はこんな感じです。

直線のスライダリンクと比較すると
・低速域のリンク比は同じ(変えることもできる)
・動作角度を広く取ることができる
・アームのトルクをある程度任意に調節可能

アームに使用した際の問題点は過去の制作物を参照してください。
2013年から採用中
過去の制作物

2.作り方
適当に書いても動きますが、去年から下記の方法でスライダの軌跡を決めています。
直線スライダ※の特性を基本として、動作角度を変更させていきます。
※ここではクランクピンからスライダピンまでを直線で結んだものと定義

適当に書くと検証が大変なので、書きやすくするために
下記の設計シートを使っています。


図 設計シート全体


図 設計シート拡大


同心円:
 ・クランクが回転した際のクランクピンからスライダピンまでの距離。
 ・クランクの回転15度ずつ記入
 ・横軸の数字は対応するクランク角度(スライダピンから最も遠い位置を0度)

円中心からの放射上の線:
 ・直線スライダの揺動角度からの角度オフセット量(15度ずつ線を引いた)
 ・たとえば、ある地点のアーム角度が直線スライダ45度+オフセット15度の場合、
  本リンクのアーム角度は60度となる。(直線スライダより15度大きく動く)

黄色い曲線:
 ・今回設計したスライダ曲線。最大72度のオフセット
 ・今回はクランク無限回転に対応(0-180度の円までスライダ曲線を作った)

スライダ曲線設計時のルール
 ・0度―180度の同心円の内側であること
 ・あるクランク角度に対してスライダの位置が一点に決まること(「戻り」はNG)
 ・そこそこ滑らかな曲線であること。多少の角は問題なし


3.完成
完成したリンクが下記のものです。
上方向の動作角度を稼ぎたいので、アームの取り付け角度を上に向けています。
実機でも動きました。


図 アーム形状




【補足】直線スライダとの違い
直線スライダ(青)と今回の曲線スライダ(赤)の角度の比較です。
横軸・・・クランク角度(スライダから最も遠い位置を0度)
縦軸・・・アーム角度(直線スライダでクランク角度0度の位置を0度,+が上方向)



クランク角度90度くらいまではあまり変わりませんが、100度を越えたあたりから動作角度が広がっています。
±40度程度のリンクが上方向に+45度くらい広がっているのがわかります。
動作角度が広がっている分、トルクは落ちるので注意です。

第19回ロボット技術交流会に参加しました

第19回ロボット技術交流会に参加してきました。

企画賞頂きました。
ありがとうございます!

制御の話が評価されたようで、今後制御やり出す人が増えたらいいなーと思います

発表資料はこちら→http://radenzaiku.blog.shinobi.jp/%E3%81%8B%E3%82%8F%E3%83%AD%E3%83%9C/2016%E3%81%8B%E3%82%8F%E3%83%AD%E3%83%9C%E6%8A%80%E8%A1%93%E4%BA%A4%E6%B5%81%E4%BC%9A


特別公演はスリムヘッドヘクサロビュラでお世話になっているサイマコーポレーションの方のお話でした。
ネジの緩む理由について色々と教えていただきました。

緩みのメカニズムは大体理解しているつもりでいたけど、改めて整理された感じです。

かわロボで非常にお世話になっているこの↓ネジは焼き入れしているそうで。
https://www.monotaro.com/g/00246207/
過去に類似品使ったらすぐに舐めてしまったので、やっぱりしっかりしたネジがいいですねー。

ちなみにM3極低頭ねじで使用しているT6ヘクサロビュラは元々M2の規格なので、大トルクでは工具が壊れます。
個人的なお勧めは
力が入る・・・HAZETのT型レンチ http://masuyamatool.shop-pro.jp/?pid=30140991
バランスがいい・・・PBのスイスグリップ・トルクス http://www.factory-gear.com/category/select/cid/139/pid/608
です。
HAZETは調子のって破壊試験して壊してしまった(全力で力をかけた)ので、今は力を入れすぎないPBを使用しています。

ルール関係は大きく変わりませんでしたが、重量が3300gになりました。あと200gダイエットしなければ・・・
詳しくは大会HPが更新されるのをお待ちください。
(twitterとかで探すと変更点出てくると思います)


ではでは